plan1

 17坪程度の敷地に木造3階建てを建てる計画です。
 この敷地は、実は良い条件が重なっている場所で、北側にある道路が巾こそは狭いものの、その道路の先が広場扱いになっているために道路斜線による制限を考慮しなくても良く、北側が道路のため、北側斜線も避ける事が出来る敷地です。(広場扱いとは公園や鉄道などを意味します)

point1
 屋内駐車場を設ける事で、容積率を緩和しています。(174%が限度の敷地ですが、このプランでは容積率186%で計画しています)

point2
 大分強引にですが、1階の北側に4.5畳の和室を作っています。
 階段の下となる部分の天井が下がってきて、あまり快適な部屋とは言えませんが、ちょっとしたお客さんを招き入れる場所兼奥さんの家事室と考えれば、有効に使えると思います。


point3
 この家のメインフロアは2階です。9畳のLDKと7.5畳の夫婦の寝室を設けています。本来、水回り(キッチン・浴室・トイレなど)は各階同じ位置に設けることが望ましいのですが敷地が狭く、やむを得ない場合には気にしなくても構いません。
 2階から上の階になれば、住宅密集地でも南側にはそれなりに日が当たりますから、寝室の南面には大きな窓とバルコニーを付けました。収納が少ないのが問題点ですが、部屋の大きさを6畳にして収納をきちんと取るか、部屋を大きく取るかの選択となります。このプランでは部屋の大きさにこだわっています。
point4
 さきほど、2階の寝室においては収納が小さくても部屋を大きく取る事にこだわりました。しかし、3階の子供部屋においては大きめの部屋と更に大きな収納を取ります。最初に「この敷地は条件がとても良い珍しいケース」と書きました。道路斜線や北側斜線の影響を受けないという事は建物の高さの制限が少ない事になります。そんなケースの敷地では高さのキャパシティを使えるだけ使い切りましょう。
 3階の間取りは若者にとっての使い易さを考えました。
 部屋の半分程度は天井高を2Mに抑え、その分、ロフトを大きく取りました。ロフトは、その天井高が1.4Mを越えてしまうと色々とやっかいな規制が出て来ますので、その高さに天井の板を張らなければなりませんが、収納として使うのならば十分な大きさが取れます。3階平面図で点線部分の内側中央部がロフトのある位置です。


point5
 外観はちょっと・・・です。イマイチですね。
 これはロフトを最大限に広く使うためと、バルコニーに干した洗濯物が突然の雨にも出来るだけ濡れない様にという考えで屋根を作ったからなのですが、実際には打ち合わせ段階でここからどんどん格好良く仕上げていかないといけません。
 このプランは平面図の方で没になってしまったので、立面図もこれでストップしてしまいました。



総括
 色々なお客様の希望を聞いていると、小さくても良いから部屋数をたくさん欲しいという方がほとんどです。東京で家を建てる方は高価な貴重な狭い敷地に家を建てる方が多いわけですが、敷地が狭いからといって必要な部屋(所要室)が少ないわけではないのです。
 最近では、2階建てでも2階にトイレがあるのが当然になっていますし、浴室も昔と比べれば大分大きなものを選ぶ傾向にあります。
 しかし、実際に家を建て替えた人がどういった時に喜ぶか?それは、収納の多さだったり、日当たりの良さであったり、たくさんの理由があると思います。
 設計をする時には何を考えるか。
 お隣さんへの配慮ももちろん必要でしょう。工事中の騒音などで迷惑をかけるのですから感謝の気持ちを持って家を建てるべきだと思います。
 しかし、日本の法律はとても厳しく作ってあります。法律が国民を守ってくれているのです。
 ですから、法律の範囲で許される大きさギリギリの家を建てても全然問題はないのです。よく家を新築する時に近隣の方々とのトラブルになる事があります。しかし、法を守って建てている以上はそこに起きるトラブルは「言いがかり」に過ぎず、気にしなくても構いません。
 出来るだけ簡単に建築に関する法律を知って、ぎりぎり一杯にまで家を建てようじゃないですか。是非、このホームページを参考にして頂いて、分からない所は相談して下さい。