
ネットで用途地域を公開している市町村(確認申請業務を行っている市町村を特定行政庁と呼びます)の場合は「○○市 用途地域」と検索して調べます。
東京近郊の市区町村でもまだ大きな印刷物をスキャンして公開しているだけのところもあります。その場合は念のため、役所の総合窓口に電話をして「用途地域を調べたいのですが」と伝えて繋いでもらいましょう。一般的に「都市計画課」で教えてもらえます。
用途地域とは
それぞれの地域にふさわしい建築物が建つ様に定められているのが用途地域です。
大きくは「住居系・商業系・工業系」と分かれており、それぞれの地域には建築物の用途に対する制限があります。
商店や工場は、一定の条件を満たすものでなければ住居系の地域には建てられませんし、住宅は「工業専用地域」には建てられません。
2018年に田園住居地域が追加されました。

建ぺい率・容積率とは

建ぺい率はその敷地に対して何%の部分に建築をしても良いか、また、
容積率は、各階の面積の合計が敷地の面積の何%まで建築して良いのかを表しています。
建ぺい率は敷地が角地である場合、もしくは、準防火地域に準耐火建築物、防火地域に耐火建築物を建てる場合、それぞれ10%加算となります。
容積率は道路幅により低減されます。
道路の巾に下に書いてある 係数を掛けてみて下さい。
○用途地域の名称に「住居」の文字が入っている場合、
道路巾(m)×40%
○用途地域の名称に「住居」の文字が入っていない場合、
道路巾(m)×60%
もし、この数値が指定容積率よりも低い場合、容積率はこの道路幅から求めた数値となります。住居系地域でも「60%」を採用している地域もあります(大阪市・足立区の一部など)
建築面積・延床面積とは
☆「建ぺい率」とは「建築面積」/「敷地面積」
「容積率」とは「延べ床面積」/「敷地面積」
で表されます。
建築面積とは、全ての階(2階建の場合には1階と2階)を上から見て、一番出っ張っている外壁で囲まれた部分の事です。 壁芯で計算します。
易しく言えば、2階が1階よりも小さい右図のような場合には、建築面積は1階の床面積である80平米になります。
延べ床面積とは、全ての階の床面積の合計であり、下の図で言えば、
80m2+60m2=140m2
となります。

斜線制限とは

人々は日差しを得る権利(日照権)を持っています。
その権利を守るためにある制限が「斜線制限」です。
建ぺい率・容積率では、平面的な制限により住宅の規模を制限されていました。
斜線制限では、「建物の高さ」の制限により住宅の規模を制限しています。
3階建程度までの住宅を考える際に必要な斜線制限は左図の二つです。これらの斜線を越える建物を建築することは出来ません。
「道路斜線」は、建物が林立し、道路が暗く閉鎖的になってしまう事を防いでいます。
敷地から見て、道路の反対側の道路面の高さから、距離1Mに対して1.25Mの勾配で高さに対する制限がかかります。
道路の巾が4Mだった場合には、敷地内の道路際では
4×1.25=5M の高さに斜線が来ている事になります。
これを超える高さの建物は、建てる事ができません。
(※住居系以外の用途地域の場所では1M:1.5Mになります)
また、「北側斜線」は敷地の北側にある「お隣さん」に対して、南向きの日当たりを確保するためのものです。
第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域では、北側の隣地との境界の位置で5Mの高さ、そこから距離1Mに対して1.25Mの勾配を足した高さが建物を建てられる限度の高さとなります。
また、上記2つ以外の用途地域でも首都圏などの人口密集地においては、地方自治体が独自に「高度地区」を定めて、
北側斜線と同じ様な制限をかけている場合がありますので注意して下さい。
用途地域を調べた時に「○○地域・建ペイ○○・容積○○」の後に「第△種高度」と書いてある場合があります。この「第△種高度」の部分が北側斜線と同じ様な内容になっているのです。