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資産運用物件(新築マンション)の広告の見方

日経新聞にある大手住宅メーカーの資産運用型マンションの広告がありました。
大手が広告を出すという事は買ってしまう人もいるのでしょうけれど、業界内の
人間から見れば、この広告には仕掛けがたくさん入っていました。
このページに来て下さった方には、この仕掛けの見方をお伝えしましょう。

まず、本気で読まれる方は以下の新聞広告を別ウインドウで表示するなり
印刷するなりしてからお読み下さい。
(物件を特定出来る文字は全て伏せてあります。万一漏れがあればお知らせ下さい)




この広告の内容は

○西新宿駅まで徒歩4分の立地の1Kタイプが1775万円から。

これは安い!ですね。

○30年一括借上で家賃保証。○○○(住宅メーカー名)が家賃を負担。
○利回り5.66%


というものでした。

30年間安定して5.66%の利回りが得られるのかあ、利回りは少ないけど
安定してるから・・・。

と考えてしまった方はしっかり騙されています。

よく条件を見ていきましょう。

×
「○○○が一括借上げ、いっさいの管理・運営を行ないます。」
 管理費・修繕積立金の設定は販売会社の思うがまま、という事です。区分所有者
 一人が見直しを考えてもまず見直し等は出来ません。更に資産運用物件のため、区分
 所有者同士が集まる事も難しい。ほとんどの所有者が全ての運営を管理会社に
 任せているのですから、総会自体が無意味です。毎年開催はするのでしょうか。
 ひょっとすると、「実質総会の存在しない分譲マンションの管理」という管理会社に
 とって打出の小槌ともいえる物件になるのかもしれませんね。

×
「管理費・修繕積立金・基金は所有者負担。」
 販売会社が自由に設定出来るこれらの費用は所有者負担です。
 利回り5.66%と表示してありますが、初年度ですら、これらの費用を減額すると
 
本当の利回りは5.14%に下がります。更に基金として購入時に10万200円
 支払う必要があります。

×
「賃料の支払は2ヶ月目から」「礼金・更新料は当社取得」
 なぜ1ヶ月目の賃料を貰えないのか、そして礼金を何故持って行ってしまうのか。
 1ヶ月目の家賃と礼金を足した金額は家賃の3ヶ月分。そして更新料は2年毎に
 入りますから、例えば10年間でみた場合、この販売会社は家賃の8ヶ月分を
 持っていってしまう様です。実際には途中入れ代わりが4〜5年に一度あります
 から、その際の礼金を加算すれば家賃の10ヶ月分程度の金額を持っていかれる。
 つまり少なくとも83万円の金額です。広告に書いてある初年度の修繕積立金金額
 2000円/月で割れば34年間分の修繕積立金ですが、つまり、一括借上げ
 システムを利用しなければ、修繕積立金は礼金等でまかなえるのです。

×
「30年コースの場合、2年ごとに賃料の見直しを致します。」
 新築後2年目に「物価下落のため、家賃を1割下げます。」と通告されたとします。
 泣きっ面にハチで「修繕積立金は上がります。」と言われるかもしれませんが、
 この年には幸い?賃料が下がるだけだったとします。
 それでも実質利回りは4.72%まで下がります。そして家賃が上がる事など二度と
 ないでしょう。
 いずれは、修繕積立金も上がります。2000円/月の修繕積立金では10年目まで
 に24万円にしかなりません。15年目には大規模な修繕工事が必要になるでしょう。
 その時の追加負担も所有者負担で、この負担から逃れる事は出来ません。


 一番恐いのは
 
物価下落と建物の老朽化という理由で、販売会社が家賃はいくらでも下げられる反面、
 
修繕積立金・管理費は自由に上げられるのです。

 一括借上してもらってリスクを回避!というのは、全くの幻想です。一括借上
 してもらったとしても、全てのリスクは所有者に掛かっています。
 
 だから、当社では資産運用で物件を1棟丸ごと建てる方には、家賃保証はお薦め
 
していません。
 基本的に、利回りは少なくとも10%前後となる様に計画します。10%の利回り
 であれば、単純計算で10年目まで同じ条件で貸せれば(10年間家賃を値下げ
 していない物件も存在します)投資した資金は全額回収出来ます。20年程度の
 ローンを組んでもまあまあ納得できるお金が毎月入って来ます。
 15年目頃の修繕に関しては、広告の物件の例でいえば、礼金を貯えておけば
 120万円/戸程度の費用が手元にある筈ですから、それでまかなえるでしょう。
 (実際には礼金の半分は広告費にあてる事をお薦めしています が、更新料収入等
 は貯えに回ります。また家賃の5%程度の支払をすれば不動産会社が入居者の募集
 から集金まで全てやってくれます。)

 さて、それでも怖がって家賃保証を選びますか?それとも、リスクを理解した上で
 自らリスク回避の手段を考えますか?ご自身で選択される方は当社が全面的に協力
 させていただきますので元のページをご覧下さい。

 バブル期に大量に売れたリゾートマンションが、今タダ同前で叩き売りされて
 いるという話を聞きます。贅沢な設備をささえるための管理費・修繕金が高く、
 月々の経費を維持するだけでも相当な負担になる。総会を開いてコストダウンを
 図りたくても所有者が全国に散らばっていて集まる事が出来ない。
所有権がある
 限り月々の経費から逃れられないため、タダでもいいから誰かに売りたい。

 こんな事になっているといいます。もし総会を開けたとしても、大浴場とか
 ホテル並みのサービスとかをうたっているのですから、管理費はそうそう下がら
 ないでしょうね。
 これと同じリスクはまだまだ転がっているのです。リスク回避は大企業任せで
 安心、というのではなく、みなさんご自身できちんと選別してください。

 ちなみに、この住宅メーカー、自社物件は他社(ゼネコン)に造って貰っています。
 この住宅メーカー、マンション建築予定のオーナーの方には、自らが施工者となる
 マンション建築を勧めています。よく競合します(笑)。自分の販売する物件は自分
 では施工しない。自分で施工出来るはずなのに他社に施工させている。何故か?
 大企業は自分のリスクはきちんと回避します。自らの信用を証明しているのです。

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